印西市には古くからある神社が多いです。
その中でも地元のみならず千葉ニュータウン各地に住まわれている人からも親しまれている神社のひとつ「阿夫利神社」を紹介します。
千葉ニュータウン初期に街開きされた千葉ニュータウン中央駅圏の木刈地区からすぐという距離にあり、気軽に行ける人も多いことから、昔からなんとなく親しみを持っているという人もいるのではないでしょうか。
阿夫利神社は初詣も賑わいます。
今回はそんな阿夫利神社と永治地区に興味を持ってもらえる”きっかけ”となるよう、簡単に紹介します。
※イメージをつかむためにざっくりとした雰囲気だけをお伝えしています。
石尊は「せきそん」。
阿夫利神社は「あぶりじんじゃ」。
永治は「えいじ」と読みます。
写真はとある年の様子ですので、年によって内容は異なります。
興味を持ってもらうことを目的としています。「こんな感じ。」程度にご覧いただければ助かります。ここからさらに興味を持っていただける人が増えることを願って・・・。
阿夫利神社の祭礼は永治・浦部地区
もともと浦部村→永治村だったエリアになります。
もくじ
阿夫利神社とは
阿夫利神社の場所は千葉県印西市の北西側「永治・浦部地区」。
歩いていくと白井市に入ってしまうほどの市境になります。
1765年 (江戸時代中ころの明和2年) 創建とされていますが確定ではありません。
とにかく昔から浦辺の石尊さまとして親しまれています。
記録だけではすべてを語ることができないほど歴史があります。
ご祭神
日本武尊・石凝留命・石裂命・根裂命
神身体
青石
御朱印
あり (常に人がいるわけではありません)
境内面積
約3802㎡ (1150坪)
立地
千葉県印西市高西新田227 (永治浦部地区)、木下街道と鮮魚街道付近
大鳥居
阿夫利神社に行ったことなんかないよ、という人でもこれは見たことがあるのでは?
木下街道沿いにある大きな鳥居。
阿夫利神社といえば一之鳥居として建つこの大きな鳥居が有名。
気になりますよね、この鳥居。
昔は道路を鳥居の中に道路があったのですが、現在はこのように立て替えられています。
ここから「鮮魚 (なま) 街道」と呼ばれる、古くからの産業道路(布佐~松戸)に入ります。
鮮魚 (なま) 街道とは
銚子で水揚げされた鮮魚を江戸へ運ぶため、銚子から利根川を船で渡り。
布佐で上陸、陸路で松戸へ。
松戸からまた船で川や水路を経て日本橋の魚河岸へ運ばれました。
青い石について
阿夫利神社の境内には、良縁の石と言われる青い石が奉納されています。
江戸時代中ごろ、銚子の海底から2つの青い石があがりました。
その青い石が上がってから不思議なことが起こり、住民たちの願いを叶える不思議な力をもった石として崇敬しました。
住民たちは
「お里に移して鎮守した方が良いべ」
と話し合い、
その石を相模の国の石尊社 (神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社) に奉納することに決めました。
神輿を作り、相模の国に向かっている途中、この浦部地域に着いた日の夜、夢に青い衣の二人の老人が現れました。
「我らを高西新田の鎮守社に合祀せよ」
との夢のお告げがありました。
あれ?これどこかで似たような話を聞いたことあるぞ、というのは置いておいて。
そのお告げを浦部村、白幡村の人々が話し合い、鎮守社の境内の小高い場所に祠を建て、6月27日2つの青い石を奉納しました。
そして毎年同じ日に祭る行事が行われたとのことです。
近年は7月27日に行われていましたが、現在は7月末の土日と変わっています。
青い石はどこにある?
狛犬が守っている石段のある小高い丘を上ると、奥宮(おくみや)があり、神を祭る建物「祠(ほこら)」があります。
この祠に2つの青い石が奉納されているようです。
ぜひ狛犬をさがしてみてください。
石・石・石
石尊さんの意味や情報を持っていなくても素人ながら「ああ、石尊さまと言われる通り立派な石碑の数がすごいね。」と驚かされます。
本当はそういうことではないのですが、その石碑の大きさはすごい。
花手水
神社の境内に入る前によく見る手を洗う所。
柄杓(ひしゃく)で水をすくって身と心を清めるという場所を「手水舎(ちょうずしゃ)」というのですが、その手水鉢(ちょうずばち)に花を浮かべたものを「花手水(はなちょうず)」と呼ぶます。
日常会話では通じないことの方が多いので、私は普通に「手洗う所」と呼んじゃっています。昔は飲んでいたこともありましたが今思うとどうなんでしょう。
稲荷神社
境内には稲荷神社もあります。
水神様の池と井戸
阿夫利神社の例大祭 (お祭り)
阿夫利神社の例大祭は、毎年7月最終土曜日と日曜日に開催されます。
阿夫利神祭礼2024の開催内容
開催日時
2024年
7月27日(土)・28日(日)
スケジュール
土曜日
※下記は2023年の状況
※コロナ環境下での実施のため例年と大きく変わっています。下記は参考程度に。
「浦部鳥見神社」
「月影の井」
「浦部の百庚申」
などを回ります
18:00頃には出店は開店しています
19:50頃~ 石段登り
20:10頃~20:30 梯子立て
20:30~ 境内を練り歩き
※例年では21時頃境内となっています。
日曜日
10:00~12:00 神楽の奉納
2023年は一般の公開はありませんでした。
開催場所
千葉県印西市高西新田227神社~月影の井周辺
駐車場
2か所
トイレ
境内
周辺の飲食店+お店
山崎園芸・ワンコロの森・クリーム&ベリー・浦部せんべい・ウエルシア(白井市)など
見どころ
月影の井
神輿ははじめ月影の井を目指します。トラックで運搬し、スポットで担ぐというスタイルなので、時間に焦点を当てて行動することは難しいのですが、巡行する場所はこの木下街道沿い付近なので、見つけたら歩いて追いかけてみましょう。
月影の井は、日本三井のひとつだったと伝えられています。「みつい」じゃなくて「三つの井戸」ということですね。すごい。
この先に城を持った大菅豊後守正氏(おおすがぶんごのかみまさうじ)が産湯に浸かったといわれる場所です。
行き方
永治の郵便局から入っていくと左方向に下った先にあります。
大変申し訳ないのですが、真夏に歩いてうろうろが厳しいため、永治プラザで軽く声をかけて大六天に車を停めさせていただいています。
浦部の百庚申
木下街道には庚申塔(こうしんとう)が並んでいる場所が多いのですが、他の庚申塔と明らかに違うのは、木下街道の印西市内の庚申塔は赤く塗られているのです。
庚申塔の赤塗りは、一説には「疱瘡除け(疫病よけ)」とされるとか「魔除け」とされる意味があるとの説がありますが、定かではありません。
なぜ木下だけ?と思うところもありますが、この赤にちなんだものが運ばれることが多かったのでしょうか。
石段登り
夜。
提灯をかざし、なんと神輿を担ぎながら境内に続く急な57段もの石段を登ります。
その石段がこちら。
神輿が到着するとこの石段を一気に上がります。
ただ担ぐだけでも大変なのに、なかなかのパフォーマンス。
梯子立て(はしごたて)
梯子立てとは神輿を境内でひっくり返し、地面に勢いよく倒す儀式です。
地響きをたて地面に何度も神輿を叩きつけ、悪霊を祓います。
梯子を立てかけるまで、激しく踊り続けます。
この儀式は、悪魔払いや五穀豊穣を祈願するものと言われています。
例年では各地区を引き継がれた神輿が21時頃神社に到着とのことですが、2023年は20時頃には境内に到着していました。
出店
境内には早い時間から出店が並びます。
昔なつかし?ダーツ。ハッカもありますよ。
けっこうな人が集まっていますね。
浦部の雅楽
雅楽殿では、千葉県指定無形文化財の「浦部の雅楽」が奉納されます。
神様に捧げる音楽は「雅楽(ががく)」といいます。
神様をもてなすために奉納される歌舞として演じられるのが「神楽(かぐら)」です。
なんだかよくわからないので、神様の前で演劇と演奏しておもてなし。という感じのイメージです。うらしまたろうの竜宮城での情景のような。
開催場所と行き方
開催場所:千葉県印西市高西新田227神社~月影の井周辺
車の場合
県道59号木下街道沿い「セブンイレブン印西白幡店」近くの大鳥居にかかる路地に入ります。
山崎園芸さんの付近に大きな駐車場があります。
駐車場に関して
阿夫利神社境内の駐車場(無料)
1個目の案内を右に行くと下り坂で石段の前に着きます。ここには駐車場はありません。
2個目の案内板を右に曲がると大きな駐車場があります。
阿夫利神社第二駐車場(無料)
神社への案内より手前、左側に臨時駐車場があります。
トイレ
トイレは境内の一番奥、手洗う所の近くにあります。
阿夫利神社の地元民のお祭り
神輿担ぎは地元の人のみ
各地歴史ある神事や伝統祭りは、その土地に根付いた人しか神輿を担げないというしきたりがあります。
それでも以前は長男だけ、というものがあったそうで、近年それが緩和されて次男や家族も担げるようになってきたとか。
阿夫利神社においてもそれが守られており、令和になった今もなお引き継がれているということに驚きと敬意を持ちます。
開催日 :2024年7月27日・28日
開催時間:夕方~22時頃
開催場所:千葉県印西市高西新田227~月影の井戸周辺