冬になると水田地帯の中に約1,000羽近く (最高で約1,200羽)もの白鳥の群れが渡ってくる本埜の白鳥の郷。
その数は日本国内でも2番目に多いともいわれている白鳥が集まるスポットです。
We can see about 1,000 swans on paddy field in Inzai every winter.
情報は2023年12月24日時点。
内容は本埜の関係者の確認を得ています。
2023年11月13日 約150羽
2023年12月20日 約750羽
2024年1月10日 1,125羽
千葉県印西市の本埜地区 (旧本埜村) に毎冬に白鳥が飛来し、滞在していることから名づけられました。
白鳥の郷の特徴は、もともと水田であったところに自然に飛来していることです。
田園風景の中とはいえ、身近に人間が活動する町、なんと言っても東京から近いこの距離が他の飛来地との大きな違いです。
水辺でくつろぐ姿はもちろん、飛んだり着水する姿も頻繁に見ることができるのも魅力です。
ここで見られる白鳥は
コハクチョウ
オオハクチョウ
アメリカコハクチョウ(めったに見られません)
他にもカモがたくさん。
一般の方は餌をあげることができませんが、スタッフによる朝夕の餌付けタイムに遭遇することができるかも。
なぜシベリアから白鳥が来るのか
白鳥は水草や葉っぱ、虫や貝まで食べる雑食性の鳥です。夏にシベリアいる白鳥がなぜ日本に渡ってくるかという話からはじまります。
シベリアは寒い地域。水面が凍ってしまうと餌をとることができなくなってしまいます。
そこで秋ごろに北海道に渡ります。
しかし真冬になると北海道の水面も凍ってしまいます。
もっと南下して良い環境を探します。
場所
所在地
千葉県印西市笠神 (水田地のため番地はありません)
最寄り駅
JR小林駅から徒歩40分ほど、車で10分ほど
北総線印旛日本医大駅から車で14分ほど。
行き方 (千葉ニュータウンや本埜支所から)
地図は印西市本埜支所からのルートを表示しています。
千葉ニュータウン方面からは、鎌ヶ谷本埜線の曲がりくねった道路からもいけますが、どちらも行き違いできない狭い路地や農道を通ります。
行き方 (おすすめ)
狭い道路が苦手な方は、遠回りしてでも「長門橋」交差点から入るルートをおすすめします。
難読地名の「安食ト杭 (あじきぼっくい)」もすぐそこです。
1. 長門橋交差点を鎌ヶ谷本埜線に入ります。
2. すぐに右折ます。
3. 中央点線がある2車線の直線道路をまっすぐ進みます。(とても快適です)
4. 正面に旧本埜第二小学校の校舎が見えてきます。(2023年時点)
5. 白山神社付近を左折します。こちらも行き違いが可能な路地です。
6. たいてい遠くに車列が見えます。あとはその車列にむかって進むだけ。(工事のため迂回ルートになっている場合もあります。)
駐車スペース
白鳥飛来地の脇の道路は幅広ですので、そこに路駐になります。
周辺の飲食店・お土産
近所:鮮魚定食まるみや、手焼き土井せんべい、パニパニ、喜楽など
見学にあたり注意
ペットの連れ込みはやめましょう。
白鳥たちがびっくりしてしまい、次から来るのをやめてしまうかもしれません。
個人的にエサを与えることも禁止です。
自然に飛来してきた白鳥たちの自然な姿を楽しみましょう。
接触はやめましょう。
とても近くで見ることができる白鳥ですが、世界規模で飛来する彼らの自然の生態系を乱しかねません。
大声で叫ぶのはやめてあげましょう。
白鳥たちはしきりにおしゃべりしています。せっかくなので何をしゃべっているのか想像してみては?
余裕を持った安全運転を心がけましょう。
白鳥の郷までの道のりは生活道路や農道となりますので、余裕を持って十分に注意してください。
白鳥の郷レポート
観光地化されていないありのままの田園風景の中に偶然舞い降りた白鳥たち。
ここをこういったブログサイトで紹介すること自体とても複雑な心境で、本来静かに体を休めて、春には元気で飛び立ってほしいという思いがあります。
だからこそ、TVメディアや観光メディアでは伝えられない言葉を添えて紹介したいと思います。
関東各地からようこそ
もともと水田として使われているため、専用駐車場や臨時駐車場は設けられていません。
沿道の幅が普通の農道よりも広く作られているので、こちらに停めさせていただいております。
驚くのが停まっている車のナンバー。
南房総や東京の西部地域、他県からも足を運んでくれる方々がたくさんいらっしゃいます。
ようこそ印西市へ。
ペット侵入禁止
たとえ遠くからでもペットの来場は✕。
白鳥たちはいつも変わらぬこの風景の中で自由に体を休めています。
仮設トイレ
白鳥たちを見ていると、思いのほか時間が過ぎていくのが早いですね。
ただでさえ遠方からいらっしゃった方々も多いので、仮設トイレも設置されています。
本当に心遣い助かります。
メッセージ
本埜の人たちや本埜の子どもたちからのメッセージが書かれた柵を見て感動しました。
写真は当時まで開校していた「本埜第二小学校」の生徒たちのメッセージ。
時代の流れとともに人の流れも思いも変わってしまいますが、白鳥たちにとってもこの本埜が故郷のひとつになり続けてほしいですね。
そして本埜地区のみなさんや本埜で育った子供たち、小学生中学生のみなさん。こんなに素晴らしい景色を伝えてくれて本当にありがとうございます。
歳を重ねてもこの誇らしい本埜の姿を忘れず、心の中で大切にしてくださいね。
白鳥の郷の歴史
はじまり
1992年。
農業用の排水工事をしているタイミングで大雨が重なりました。
田んぼは水が溜まった状態のまま冬を迎えます。
そして偶然白鳥が水田に降り立ったのです。
その時はたった6羽。
えさやりと葛藤
当時6羽の白鳥のためにエサをあげようとしても白鳥は警戒して寄って来ませんでした。
しかし、この水田を管理する出山光男さんが毎日決まった時間に同じ服装で顔を出し、エサをあげ続けました。
偶然降り立った白鳥にエサをあげても、すぐに飛び立っていなくなってしまうだろうし、来年来るとは限らない。当時は周囲の人の関心は薄かったのです。
そして白鳥たちは暖かくなるころにシベリアへ帰って行きます。
いったいなんだったんだろう?って思いますよね。
でもまるで我が家族のようにエサをあげ続けたことを白鳥たちは覚えていたのです。
翌年から倍増した白鳥
たった6羽の偶然の渡来。
しかし翌年12羽の白鳥がやってきたのです。
そこで出山さんは毎日同じようにエサをあげ続けました。
するとその翌年1993年には23羽、その後もどんどん白鳥の数は増え、1998年には125羽の白鳥がやってきたのです。
最高数は1380羽 (2019年までの間)
毎年のように増え続ける白鳥。
2012年には1300羽を超える白鳥がやってきました。
「本埜 白鳥を守る会」発足
そして1995年、白鳥の定着が世間にも知られるようになったころ、この白鳥の居場所を守り、元気にシベリアに帰って行けるようにと、白鳥を守る会が発足しました。
メディアの露出も増える中、白鳥にとって招かざるものや事態も多くなるかと思います。印西の環境の変化も白鳥にとっては驚くことでしょう。
けれど、この風景がいつまでも変わらぬよう、印西市民みなさんで見守っていきたいですね。
また冬季限定とはいえ、印西市各所にとどまっているコブハクチョウのように、農作物への影響なども懸念する方もいるかもしれません。
人がむやみにエサをあげたりして、バランスを崩さないようその環境を守ってくれています。
2021年~2022年白鳥飛来状況(過去)
白鳥の飛来状況は地元の本埜小学校がご厚意で報告してくれています。
みなさんありがとう。(2021年現在)
※2019年までは本埜第二小学校が発表していてくれました。(その後学校は統合)