こんにちは。
みなさんは印西市の小林というとどのようなイメージを想像しますか?
実は小林、印西市「最初」「最大」「唯一」など、さまざまな顔を持っています。
小林は印西市最大の桜の名所小林牧場と大井競馬のトレーニングセンターがあります。
小林はおそらく印西市で最初にキャンプ場が解放された土地です。
小林は由緒ある寺社が集まっている土地です。
小林は地域最大級の行商と朝市で賑わった歴史があります。
小林は2023年時点で唯一朝市が開かれています。
今回のテーマは地図から見る小林エリアの昔と今の姿の移り変わり。
開発当初から住まわれている方も、新しく引っ越してきた方も、千葉ニュータウンに住んでいる方にも懐かしくも改めて見ると新しい発見ができる時間の旅です。
さっそくですが下の写真をご覧ください。
これは昭和時代のJR成田線小林駅の駅舎。
当時は牧場にありそうな木造の白い建物がかわいらしい。
こんなおしゃれな駅舎からタイムトラベルスタート!
昭文社 1997年千葉県印西市の地図
現在2023年6月。自宅にあった地図を開いてみます。
昭文社さんから許可をいただいていますので、昔の小林駅周辺を紹介します。
上が印西市広域地図です。
当時はまだ本埜村・印旛村と合併していませんでしたので、このような形でした。
地図の右上が小林地区です。
ところで気づきましたか?
印西市内すべての駅が、隣接自治体との境目近くに位置しています。
木下駅から歩いて10分程で我孫子市、
小林駅から歩いて10分程で栄町と本埜村。
千葉ニュータウン中央駅から歩いて10分程で白井市、
印西牧の原駅から歩いて10分程で本埜村・印旛村です。
すべての駅が市の端っこにあったのですね。
1997年の小林地区
これは20数年前の姿です。
あれ?そんなに変わっていない?
小林駅は印西市内でも早くから区画整理が始まり、大手企業やディベロッパーによりじっくり長い年月をかけて戸建て新興住宅街が形成されてきました。
小林駅の南側は浅間神社を囲うように古くから商店が集まっていました。
当時本埜村の中心となるエリアのひとつ「笠神」地区に隣接していて、本埜村役場までびっしり銀行、飲食店、理容店、お花屋、精肉店、工務店、洋品店などのお店が連なっていました。
今回はちょっと昔のお話ですので、すごく昔のお話ではありません。
明治時代から昭和中期頃の行商の歴史は下記をご覧ください。
JR小林駅
冒頭の駅舎を見てどう感じるかはそれぞれですが、木造でホワイトペイント、屋根が赤茶という牧場風の駅舎が特徴。
駅前にはタクシーのスタンバイがぎっしり。
今の千葉ニュータウン中央や印西牧の原よりもタクシーが停まっていたのです。
そうそう、一番初めの小林駅の入り口にあった「小林駅」看板。
これは駅舎が新しくなってから、この看板がそのまま設置されています。
探してみてくださいね。
道路
印西牧の原とつながっていない
いまは小林地区と印西牧の原地区は道路がつながり、小林地区から印西牧の原は生活圏です。
しかし、当時は細い道路を経由して県道のカーブから出る必要がありました。
現在の「とん吉」あたりです。
「え~、買い物行くだけでも大変じゃないの。」と思うかも知れませんが、
ん?
時系列でみると、当時の印西牧の原駅周辺は西の原のみ開発され、北側は草っ原、ジョイフル本田もBIGHOPも牧の原モアも、他の商業施設もありませんでした。
本埜村滝野地区にはスーパーがあり便利でしたが、この時代は小林駅周辺の方がお店が圧倒的に多く栄えていました。
この頃の秋、印西牧の原駅南口には広大なコスモス畑が広がっていました。
現在のBIGHOPの敷地です。
ジョビア・マルヘイ
小林地区のちょっと昔を語るうえでジョビアは欠かせないスーパーです。
当時小林駅周辺のお店が集まってひとつの場所で買い物できるようにと、地元の人たちがお金を出し合ってできたのが、小林駅南口にできた「ジョビア」でした。
民間企業や自治体任せの現在の街づくりとは異なり、この当時は地元の人たちの手で街を作っていったのです。
またジョビアの裏側にマルヘイというスーパーがありました。
つまり、小林駅周辺には3つのスーパー、1つのショッピングセンターをはじめ、小川青果、石井精肉店、ドンドンなど数々の生鮮を扱うお店が集まっていたのですね。
小林牧の里コスモプラザ
印西市初の20店舗以上が集まる大きなショッピングモール (ショッピングセンター) がコスモプラザ。
ひとつの広い敷地に複数のお店が連なるモール型の商業施設です。
フォトスタジオ、雑貨店すずらん、犬のトリミング美容室など個性的なお店も出店していました。
2018年頃まで多くのお店が残っていました。わりと最近ですよね。
千葉ニュータウン木刈、高花、内野にも近隣センターができましたが、コンセプトがはっきりしたおしゃれな外観とその規模の大きさは、当時としては全国的にも斬新的なものでした。
ドンドンは?
あれ?ドンドンは?と思われた小林地区の方。
2023年いまなお営業している八百屋果物屋さんのドンドン。歴史がありそうです。
実はドンドンは、以前木下駅南口商店街にありました。
あくまで個人商店ですので詳細は記載しませんが、まったく同じお店、同じ経営者というわけではないですが同じ系列となります。
木下では都内私鉄沿線駅前にありそうな複数階あるスーパーマーケットのような形態でした。
いいですよね「ドンドン」。なんかかわいい名前。
ちょこっと行ってちょこっと買えるスーパー。
こういうお店がうらやましい。
北口
北口もご覧の通り道路沿いはお店や進学塾で埋まっています。
今はどこにでも当たり前にある施設ですが、印西市内全域だけでなく茨城県南部からも子どもたちが専用送迎バスで通ったスイミングクラブ。
テニスコートもありました。
商店
呉服屋マルコ
人が集まる街には呉服屋がある。
伊勢丹の歴史を見ると勝手ながらそんなイメージを抱いてしまう呉服屋が、小林にもありました。
小川屋・石井精肉・駄菓子屋、酒屋…
小林駅南口周辺には、飲食店や生鮮食品店 (小川青果など)、医院、洋服屋さん、銀行などが密集し、気軽に買い物できる生活エリアとして栄えていました。
私が記憶している限りでは、そう昔の話ではなく、おそらくジョイフル本田やイオンができてもしばらくはお店が多かった気がします。
コスモプラザやジョビアを含めたら、小林駅徒歩5分以内でも店舗数は50店舗を越えるかと思われます。今度調べてみます。
こうしてみると木下地区など合わせれば、2023年いまの印西市の方がイオンなどのショッピングモールを含めてもお店の全体数は減っているような気がします。
小林駅、木下駅ともに、商店の閉鎖は大型商業施設の影響もありますが、どちらかといえば後継者問題が原因のことの方が多いような気がします。(私周辺の話での感想)
それから印西市の特徴である車社会による駐車場問題ですね。
小林牧場
小林牧場の桜並木は本埜村
地図を見ると意外と意識しないで見逃しがちなのが、小林牧場。
じっくり見てみてください、小林牧場は印西町でしたが、桜並木は本埜村です。
印西観光協会では本埜村・印旛村との合併後に、新・印西八景として「小林牧場の桜」「吉高の桜」を追加しています。
小林牧場にキャンプ場があった
印西の昭和っこ小学生は、小林牧場でBBQや飯ごう炊さん、キャンプしたことあるよ~なんて人もいるのではないでしょうか。
私もはるか昔そんな記憶がありました。
「え?パルケさん昭和一桁生まれではないの?」
んなこたありません。
小川が流れていて、友だちと遊んで。
記憶が間違っているかも知れないからと、昔から住む知人に聞けばやはりキャンプ場はあったようです。
小林牧場は今よりもさらに気軽に立ち寄れる場所で、町のひとたちに開かれた施設だったのです。
今でもけっこう気軽に立ち寄れますけれど。
なんなんでしょうね、小林牧場って。すごーくゆるいけれど立派で重要な施設なのです。
成田線新駅と部分複線化
地図ではわからない話ですが、
1998年~2000年前後は成田線に関することも大きな話題でした。
成田線の布佐駅~木下駅間 (直線距離1.8km) は所要時間2分~3分ですが、
木下駅~小林駅間 (直線距離4km) は5分ほどかかります。
小林駅にほど近い平岡のあたりに変電所と駅が作られるという話がありました。
東京電機大学グラウンド付近です。
駅に関してはやや実現性の低いものだったのですが、木下駅~小林駅間の複線化と、我孫子~東我孫子間の複線化、そして変電所が具体化され、その設備改良だけで成田線の本数が飛躍的に増やせるというお話があったのです。
残念ながら自治体から補助金が出ない状態でのJR単独での設備投資対象にはなりませんでした。
※千葉ニュータウン中央駅~印西牧の原間は直線距離4.8km。
小林牧の里
「まきの~h‥サト?ハラじゃなくて?」
コスモプラザ周辺と三菱化成社宅がある周辺の小林浅間。
「牧の原」よりも先に、住宅開発にともなって「小林牧の里」というフレーズが使われています。
が、牧の里という住所はできませんでした。
「牧」は「印西牧」にちなんでいます。小林牧場も馬をメインとした牧場です。
印西市では珍しく、小林地区には「〇〇通り」と名付けられた通りが交差します。
昭和期に作られた新興住宅地の中でも先進的でおしゃれ感のある開発が行われていました。
また世代を分散させるためか、住宅開発・販売が数年数十年単位のサイクルで行われていることも意味があるかと思います。
鳥見神社
印西市内に数ある鳥見神社。
こちらは「とみじんじゃ」とも呼ばれています。
石尊さまと言われる阿夫利神社、船尾宗像神社、竹袋稲荷神社などのように、印西市内では比較的大きな神社です。
場所はヴィトラファームの隣。
私の周辺の人たちは本埜の中根の神主さんがメインでお世話になっています。
周辺は古墳も多く、市が保存している古墳緑地もあります。
小林地区は先進的だった
小林地区はいろいろなことが先進的で、地元の人たちによって街づくりが積極的に行われていた歴史があります。
今でも入れ替わり市場が開かれています。
このようにふと掘り返した地図からはさまざまな様子や想い、生活を想像することができて興味深いですよね。
たとえ大昔の古地図のようなものでなくても、ほんの数年前でもこれだけのものが見つかります。
まるで宝探しのように当時の姿と今住んでいる姿を比べて歩いてみるのも面白いかもしれませんね。
これを見て、少しだけでもこのニュータウン、そして印西への愛着が湧いてくれたら嬉しいです。
ありがとうございました。