街づくり

2024年3月千葉北西連絡道路(千葉柏道路)の進捗状況を考える

こんにちは。

印西市は地図で確認すると関東一円に広がる高速道路の大きな空白地帯のちょうど真ん中に位置しています。

高速道路のインターチェンジ (IC) に関しては市内の住む地域によって最速で到達するICが変わるというもので、
北部は圏央道の牛久阿見ICや阿見東IC、常磐道の柏IC、
南東部は東関東道の酒々井IC、
千葉ニュータウン中央・牧の原地区は東関東道の千葉北ICか四街道IC、
という感じでしょうか。

しかし、最近必要性が見直され急ピッチで検討が進められている道路があります。
そのひとつが千葉北西連絡道路です。

柏市呼塚交差点柏市呼塚交差点

情報は2024年3月時点。状況は常に変動しています。
最終更新日:2024年3月12日。

記事は印西市民から見た話となります。
便宜上「高速道路」という言葉を使っています。
専門的なことには詳しくないため、どんな感じかな程度の簡単な紹介とさせていただいています。
数ある情報の中の読み物、参考程度にご覧いただけると助かります。

 

千葉北西連絡道路とは

千葉北西連絡道路の構想ルート引用:国土交通省2024年2月資料より

かつて千葉市と柏市を結ぶ国道16号バイパス「千葉柏道路」として構想されていた道路の仮称です。
千葉県北西部を南北に連絡する役割として計画されている高規格道路です。

整備効果

国道16号の慢性的な渋滞緩和、周辺の人口増加対応、物流施設増加対応、大型車市街地進入対策、中核市柏市と県庁所在地千葉市のアクセス向上、成田空港アクセス向上、災害対策、そして高速道路アクセス空白地帯の解消など、さまざまな課題の改善につながる道路です。

整備検討区間

第一段階として整備検討は野田市から印西市までになります。

想定ルート2024年3月時点

千葉北西連絡道路の構想ルート引用:柏市公式サイトの資料

現時点で想定されているルートは以下の通りです。

「野田市つくば野田線以北」

「野田市利根川沿い」

「柏市利根川沿い」

「我孫子市利根川沿い」

「取手市利根川沿い(千葉県側)」

「我孫子市新木布佐地区付近」

「印西市発作・大森周辺」

「国道464号に接続」

ーーーーここまでーーーー

以下構想


東関東自動車道四街道付近

野田市~我孫子市はある程度予想ができるルートですが、厳密なルートは未定です。

私を含め多くの人が
「この道路に沿って通り、ここに接続するのでは?」
という道路があります。
それが、「利根水郷ライン」と「県道61号船橋印西線」ですが、断定はできず、これらにはいくつかの課題もあります。

予想ルート

こちらは資料をもとにしたいんざいパルケの個人的な予想です。
完全な主観ですのでまた違った視点で見てもらえると、新しい発想がうまれるかもしれません。

「野田市中里付近で国道16号と接続?」

「野田市芽吹大橋付近で接続?」

「野田市利根川土手沿い?」

「柏市田中調整池利根川土手沿い?」

常磐自動車道と接続」

「都市軸道路と接続」

国道6号と接続」

「我孫子市・取手市利根水郷ライン」

「我孫子市新木布佐地区付近?」

「印西市発作大森付近?」

「鹿黒」または「大森」

「県道61号船橋印西線」または「草深」

「多々羅田IC」または「草深新設」で「国道464号」と接続

「新川沿い?」

「ユーカリが丘付近?」

「四街道IC付近?」

道路開発と地元の影響

柏市田中調整池

少しだけ脱線します。

開発系の話題に限らず、何か新しいことがはじまるということには、何かしらの反応が生まれます。
まず、この記事では私の主観を勝手に書かせてください。
心がざわつく部分があるかと思いますが、どうかお許しください。

今まで、すでに決定し進んでいること以外で記事を書くことは、あまりありませんでした。
何かを作るということは同時に何かを壊すことにもなり得るからです。

「なにもない所」といわれる土地でも長年住んでいる方もいます。
生き物もいますし、そこに住み携わる人間よりも永い年月で育った環境があります。
そこで生涯を送り、それぞれに物語があり、生涯を終えた人もいます。

私は教科書には載らないその土地の成り立ちや歴史が好きで、例え田舎でもその土地をリスペクトしたいという気持ちがあります。

そこに住む人たちやその土地を長年守り、生業に携わってきた人への敬意と感謝を持ちたいです。

私の家系は200年以上昔から千葉県の印西市内、そして片方は今では様変わりした旧東京市内に根付く土着民。
その葛藤や思いには少しだけ共感できるものがあります。

一方、私自身も全く新しく作られた街や観光地、はたまた既存の市街地に住むことがあったため、外から見たらうわべだけで「こうすれば良いのに」と簡単に思うことがあります。

その両方の立場の狭間で書く記事です。
双方の意見や思いを互いに理解するきっかけを作り、そして次の世代へつなぐ未来を見据えた一歩も必要なのかな、と思いつつこの記事を書きました。

では、話を戻します。すみません。

エリアごとの課題

野田市

この先を見据えた計画が必要

柏市

水害対策による調整池としての役割がある

取手市

茨城県取手市の立場

我孫子市

利根川沿いからの分離地点をどこにするか

印西市

どこで464と接続するか

印西市より南

市街地密集地帯が多いまたは谷津田が広がる

全体

千葉市に接続しないと効果が減る

野田市

この先を見据えた計画が必要

利根運河水門から野田市の利根川沿いは、家屋や歴史建築物が多いのが特徴です。
川の歴史とともに歩まれた地域として、しっかりと未来を見据えた話し合いも必要ですし、何より千葉北西連絡道路がその先どのように千葉県を越えていくのか、越える予定はないのかなど、終点だけではない想定も考慮しなければなりません。
所詮私の立場で、とても上から物を言っているように聞こえますね。
でもこの難しさは地元の人たちだけでなく、千葉県全体や埼玉県の方々とも共有することも大切ではないかなと思いました。

柏市

柏市の田中調整池柏市の田中調整池

水害対策による調整池としての役割がある。

利根川ぎりぎりの土手を通るか、すでにある道沿いに通すかの2通りを想像しました。
写真は現在、我孫子側から常磐道柏ICや野田方面への抜け道として、抜け道とは思えないほどの交通量を抱えている道路です。

幅はわりと広いですが、車の流れが速いうえ、大型車を遮るためのポールがありますので、はじめて通る方がこの道を進むことはおすすめしません。

運転手でなければ、初夏から秋にかけてはとても良い風景に癒されます。

課題

利根川周辺はゴルフ場や田んぼが広がっているエリアですが、このエリアは防災として非常に重要な役割を担っているエリアです。

川の氾濫を防ぐために一時的に水を流し、川の水量を調整する調整池としての役割があります。
また、そうなると地盤改良が必要な可能性があり、ざっくりと利根川沿いや現在使用されている道をそのまま利用することは難しいかもしれません。

理想

利根川の土手を強固にしつつ、防災の観点からも先を見据えた整備が必要です。

取手市・我孫子市利根水郷ライン

利根水郷ライン

利根水郷ラインは現時点でもほとんど信号がなく、銚子まで続く道路です。
布佐の栄橋と国道6号までの間は、車の交差点信号が2~3つしかないので、とても快適です。

メリット

一般道ならば、現状の改良だけでも十分なほど道路ができあがっています。

課題

一部取手市です。渡し舟があったり、いろいろ気になる部分ではありますが、この地区としてはあまり恩恵がありません。

我孫子市

我孫子市栄橋から千葉ニュータウン方面我孫子市栄橋から千葉ニュータウン方面

利根川沿いからの分離地点をどこにするか。

課題

想定ルートを見ると、我孫子市新木地区・布佐地区あたりから成田線を越えて南下しています。住宅が既に広がっていることや、そうでなくても理由があって宅地化されていない場所も点在していることと思いますので、慎重な検討が必要です。

ここから先はとてもデリケートな問題なので多くは書きません。

印西市

千葉ニュータウン多々羅田インターチェンジ千葉ニュータウン多々羅田インターチェンジ

どこで国道464号と接続するか。

今まで単純に県道61号船橋印西線に接続すればそのまま464につながるものだと思っていました。

この記事を見ている方はあまり通ることは無いかと思いますが、県道61号船橋印西線は、4車線の用地がすでに確保されていて、
1.県道189号千葉ニュータウン北環状線(4車線)と立体交差、
2.国道464号(8車線)とインターチェンジで立体交差、
3.千葉ニュータウン大橋(4車線)と立体交差、
という立派な道路です。

しかし、想定ルートを見るとどうやらそうとも限らないのではと思えました。
画像を見るとざっくりしていますが、多々羅田ICに接続とは限らないことも想定されています。

そこで私の主観で2つのルート+αを想像してみました。

県道61号船橋印西線ルート

県道61号船橋印西線多々羅田IC県道61号船橋印西線多々羅田IC
メリット

すでに立派な道路と用地が確保されているため、普通に接続すれば併用までの期間が短くなります。
また、用地買収にかかる地元負担も最小限になります。
※全くないわけではありません。

県道61号船橋印西線立体交差が3連続で続く
課題

1.北千葉道路との交差も考えると、現在の多々羅田ICではさばけない可能性があります。高規格道路と高規格道路が接続しないなんてことは無いと思いますので。
2.この道路は、海浜幕張方面に向かっていて、そのまま行くと16号と交差してしまいます。解決方法は印西市船尾や新川付近で県道と分かれ、東寄りに向かうということです。

県道4号千葉竜ケ崎線ルート

現在県道4号千葉竜ケ崎線のバイパスが事業化されていますが、開通の目途がたっていません。
この道路の少し東寄りに習志野カントリークラブが広がっています。構想ルートを見ると千葉竜ケ崎線寄りに新設するという感じも想像できますね。(あくまで見た目です)

メリット

メリットは多々羅田ICと差別化することで、交通を分散することができます。なお、この地区は北総線の駅設置構想もあった場所に近いところです。

もし千葉北西連絡道路を木下駅あたりで成田線を越えるようにすると、周辺の再開発を同時に行うことができます。木下駅北口はかつて今の2倍の広さを計画されていた経緯があり、駅ロータリーから利根川に道路がまっすぐ伸びるのが理想だった時代がありました。
そして南口は用途未定の市所有の広場があり、そのまま千葉龍ヶ崎線のバイパスに続きます。
しかしこの場合は国の文化財が付近にありますし、いずれにしても大がかりなものとなります。

課題

すでに家屋が多い地区を通ります。
また、県道4号バイパスの新設のために用地のやり取りをした経緯を持つのに、さらに追加で用地交渉しなければならず、地元の負担が大きいです。

全体

メリット

印西市に迂回したら16号のバイパスとしては意味がないのでは?
と思われるルートですが、もし完成すればそうとも限りません。

まず、現在の16号を拡幅したり、高規格道路や立体交差を新設する場合よりも、工費や開通見込み期間が大幅に縮小される可能性があります。

また、柏市や八千代市を素通りしたい車や、成田空港へ向かいたい車も一定数あり、国道16号を通らずに迂回できるため相対的に16号利用者が減ります。

課題

しかし、最終的には千葉市中心部や湾岸へ向けた道路を理想としていますが、2024年3月時点では国道464号止まりでの検討となっています。

この道路は千葉市に到達しなければその効果は発揮できません。
千葉市は千葉北ICから穴川IC付近の渋滞がひどく、最終的にそのエリアも素通りできなければなりません。

そして、高規格道路新設により、現在の既存地域の様相が様変わりする可能性があるということです。これについては上記で述べた通りとなります。

 

情報が得られるサイト

国土交通省千葉北西連絡道路検討会

https://www.ktr.mlit.go.jp/chiba/chiba_index046.html

乗りものニュース2024.01.25記事

https://trafficnews.jp/post/130526

千葉県

https://www.pref.chiba.lg.jp/doukei/chibakashiwa/chibakasiwadouro.html

柏市

https://www.city.kashiwa.lg.jp/kotsuseisaku/living_environment/bus_taxi/1598.html

この道路ができることで、整備効果がすべてうまくいくとは限りません。
一部地元にも負担や決断が迫られることもあるかと思います。

北千葉道路の動画でもお伝えしましたが、道路を作るのであれば中途半端な形ではなく、何十年後の将来も変化に対応できる先を見据えた利用しやすいものができるといいですね。

「新規道路のせいでつぶれた。」ではなく、「新規道路ができたおかげでその後も安定して何十年も維持できる。」
とてもおおがかりですが、そんな環境になれば理想です。

すでに人が住む場所や生活環境をはじめ、豊かな千葉県の自然環境への配慮ですが、千葉北西連絡道路がしっかりした形でできることによって、むしろ他の路地への影響や抜け道利用の防止、周辺の乱開発の防止、渋滞の防止、事故の防止、そして環境汚染の防止になるかもしれません。そして昔から住む生き物や植物など生態系が共存でき、農業や漁業に携わる人たちが、今まで以上に生活道路を快適に使って仕事に従事できるといいですね。

こういった話題は一方の視点に偏りがちですが、それぞれの立場や視点が集まって、最適な道路になってほしいと思います。

長い時間お付き合いいただき本当に本当にありがとうございました。